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Music is My Life
Music is My Life (JUGEMレビュー »)
福原美穂,sleepy.ab,ローラ・イジボア
外国の声量のある歌手と間違えるほどめちゃくちゃ歌がうまい!ノレる曲ありゃ切なくさせる曲ありで充実した1枚です。自分で曲を書いてるみたいですが、邦楽ならではのダサいテンポではなく、R&Bっぽい感じ。
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クリスマス黙示録
JUGEMテーマ:読書
 
この本、あまり知られていないのですが、宝塚を退団した
ばかりの天海祐希が出演した日米合作映画の原作なんです
よね。

今でこそ、天海は格好いい弁護士やら刑事なんかの役が
人気ですが、この作品で既にその片鱗を見せています。
この映画を見ていないですが、是非機会があったら見たい。
というのも、この作品そのものが(本が)すごく面白かった
からです。

アメリカが舞台の作品です。
天海が演じる主人公タミは、日系3世の女性FBI捜査官。
アメリカに来て日本人バッシングの被害にあったカオリが、
ティムという、日本人だということで自分をからかった少年を
ひき殺してしまい、その母親から復讐を宣言されたため、
タミがカオリの警護にあたることになるんです。

最初は、日本人のカオリには日本語の話せる捜査官がいい
ということだけで選ばれたので、付き添いくらいで終わるはず
でした。
周りの仲間からも、「本当に必要なのは、日本語ができる
プロじゃなく、警護のプロだ」とか「付き添いだけでいい」とか
言われ、自分の、捜査官としての価値や自信を見失い
そうになるタミですが、色んな網をくぐり抜けて、犠牲を
いとわない復讐に燃えるティムの母親ヴァルダの追撃に、
次第に”ただの警護”では終われなくなっていくタミ。
逃げ、あらゆる手でかくまわれるカオリに、決死の覚悟で
あの手この手を使って近づこうとする復讐の鬼ヴァルダ。
ついに、もう誰も彼女たちを守ってくれないというところまで
ヴァルダは追いついてきて、そのときタミは・・・・。

いやあ、すごく面白かった。星5つをつけたいくらいです。
これは天海の役だなと思って読んでいました。
適役すぎます。
後半のヴァルダのやることがすごいです。こんな怖い女
に追い詰められる恐怖といったら・・・。タミも、こんな女に
追われることは初めてで、銃を使うのも初めて。その恐怖と
緊張が伝わってきます。

射撃大会で非常に好成績を残しているヴァルダ(この人、
市警なんですよ(汗))は凄腕の殺し屋のようです。そんな
ヴァルダとさしで勝負したら負けると思ったタミの計算力は
天晴れです。

ですが、そんな持つべき武器の違う二人は、最後どうなる
のか・・・最後の数ページは圧巻ですよ。

これは絶対にお勧め作品です。
多島斗志之の本21:54comments(0) | - |
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不思議島
JUGEMテーマ:読書
 
両目の失明を苦に失踪したというニュースが流れた多島斗志之さん。

その後どうなったかのニュースがないのですが、どうなんでしょう・・・。
心配です。


さて、この「不思議島」、多分違うタイトルでも販売されていたことが
あると思います。彼の作品は、そういうのが多いです。
内容は同じだけど、タイトルが変わっているというね。

不思議島は、村上水軍が支配した瀬戸内海の島々を舞台に、
サスペンスとして描かれています。
幼い頃に誘拐されたことがあるゆり子は、島のある場所で、最近島に
赴任してきたという若い青年医師の里見に声をかけられ、そこから
二人の関係が深くなっていきます。

二人で村上水軍のことや、ゆり子自身のことを追ううちに、ある一つの
真相が見えてくるのですが・・・

恋愛的な要素を含みながらのこのサスペンス、この恋愛要素がある
からこそ、あのラストは切ないのです。

多島斗志之さんの作品のよさは、この「切なさ」を味わえるところかな。
ラストにかけて、胸がキュ〜ンとなっていくあの感じ。
ちょっとずつ見せていってくれるので、そこがまた良し。

この作品、もう何年も前に読んでいたのですが、正直ストーリーの
詳細は忘れているのにも関わらず、その「キューン」としたラスト
だけは残っているのですよ。

多島斗志之作品を未だ手にしたことがない方は、彼の作品のいずれ
かを是非読んでみてください。

多島斗志之の本10:46comments(0) | - |
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少年たちのおだやかな日々
JUGEMテーマ:読書
 
多島斗志之作品の一つで短編集です。

色んな少年が経験する怖い体験、色んな少年が起こす怖い体験が
短編になって登場。

時々「少女」も登場しますが、どうしても「少年」の方が怖いイメージが
膨らむのは、残酷な少年犯罪を犯すのは「少年」が圧倒的に多いから
でしょうか。

この短編集に登場する少年たちは、加害者として登場したり被害者
として登場したりしてまちまちですが、いずれにせよ青少年の短絡的
行為が、読み手をぞっとさせます。


怖さで言えば、実は同じく多島斗志之作品の「私たちの退屈な日々」
のほうが怖かったように思います。あれは、大人の女性(おばさん
世代)が中心のサスペンスホラーでしたけど、少年とおばさんは
同等に怖いということか?(笑)

通勤の間に読んだり、だらだらと長編を読む気力はないが読書で
気分転換したい、という方には手軽な1冊となっています。

多島斗志之の本11:29comments(0)trackbacks(0)
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私たちの退屈な日々
JUGEMテーマ:読書

この人の本は、なぜハズレがないのだろう、といつも思います。
そして何よりも驚くのが、完成度が高いこと。

彼は、自分の気に入らないものは発表しないたちらしく、
それでか刊行作品は連続して出ません。

今回は、多島作品の短編集である「私たちの退屈な日々」を
読んだのですが、一遍一篇が実にぞっとさせる話でした。 

最初の「取り憑く」では、平凡で生活の気力もない主婦が、若い
舞台俳優の虜になってしまい、その行動がだんだんと恐ろしい
ものになっていく話です。
この話の怖さ、というのが、主人公であるこの主婦が、自分の行為が
まるで全然相手を怖がらせる行為だと思ってないところにあると
思います。
自分のやってることが狂気への序章だということに気づかないまま
でいる主人公に対して、読み手は「ええええ?!マ、マジで?!」
「まさか!?」と思うんですね。きっと。「それってあかんやろー!」
ってことを、主人公は「これはしつこくまとわりついているのではない」
「ただ弁解したいだけ」という程度にしか思ってないところが怖い
のです。
ラストは「そうくるか!」と思って、ちょっと笑ってしまいましたけど。

あとは、高校時代の恋人に偶然何十年ぶりかに会う話も
怖かったです。
個人的には、主人公の女よりも、相手の男のほうが怖かったです
けどね・・・。しかも、こんな人いそうで更に怖い・・・。

なんか「恐怖」っていうのは、霊に対してより悪意のない異常な
人間のほうが恐怖なんだ、とこの本を読んで思いました。

何篇か収録されているのですが、2話目3話目と続くにつれ、
怖さはなくなっていきますけどね。短編なので読みやすいです。

電車の通勤時間や病院の待ち時間のお供にどうぞ。
多島斗志之の本13:44comments(0)trackbacks(0)
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感傷コンパス
評価:
多島 斗志之
¥ 1,575
(2007-08)

JUGEMテーマ:読書

多島作品を続けて読みました。「感傷コンパス」。

劇的な起承転結のある作品ではないですね。
穏やかな日常に、田舎の山村で起こる小さな出来事を描いている
作品で、読み終わったあとに「吉本ばなな」作品と「灰谷健次郎」作品
を足して2で割ったような印象を受けました。

少々複雑な家庭事情から逃れるように、主人公明子は実家から
うんと離れた三重県の山奥に新任教師として赴任することを選びます。
そこは生徒数が18名という少人数 な分校で、受け持ちの生徒の
数人との交流と、同僚教師の自殺未遂事件、空木という不思議な
地元の男の交流を描いています。

ところどころ”キュン”ってなるようなエピソードがあり、
でも深くは描いてないんで、重くなくさらっと進みます。


先に読んだ3作品ほどには、印象も残らない作品になりそうですが、
悪くはなかったな。
でも、わざわざ買って読むほどではないかも・・・。
残念ながら。

多島斗志之の本05:40comments(0)trackbacks(0)
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「離愁」 多島斗志之
評価:
多島 斗志之
¥ 660
(2006-01-25)

 多島さんの作品を読むのは、これで3作品目です。
購入したまま、随分長い間、本棚に置いたままだったのですが、
お盆休みに本を読もうと家にあった数冊をめくってみました。

そして、冒頭を読んでは「なんか乗り気がしない」と、次の本を開き
また乗り気がせず次の本を開き・・・と繰り返して、最後に手に取った
この「離愁」では冒頭から引き込まれていったので、よし、このまま
読もう、と読み進めていきました。

主人公の高校生の男の子(名前、出てきたっけ?ど忘れ)は、
母の勧めで、叔母「藍子」からドイツ語を教えてもらうことになります。
欲しい釣竿を買ってもらう交換条件として、叔母にドイツ語を習うこと
が母から条件に出されたわけです。

この叔母は、昔の美貌を残しながらも無表情、徹底して人とのかかわりを
好まない人で、家も生活も非常に質素、そして何よりも生きる意欲が
感じられない・・・そんな叔母でした。
「あの叔母は、何を楽しみに生きているのだろう」。
従姉妹の美那は、そんな風にいつも言うのでした。

当時は、叔母に対して何の興味も持たなかったこの高校生の甥は、
齢も50歳を過ぎた頃、あることがきっかけで今は亡き叔母の、知らなかっ
た素顔を知ってくことになるのです。

それは謎に満ちた波乱の人生であり、また自分が高校生の時には
あの叔母からは想像も出来なかったほど、別人のように生き生きと
した叔母の人生。

叔母がまだ若かりし頃、叔母と親しく交流のあった兼井という男の
手記を手に入れた主人公は、叔母に何が起こったのかを知っていく
ようになったのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

兼井という男の手記が終わる辺りでは、藍子叔母の、心の底から
愛した男との関わりが分かり、読める展開なのですが、
手記でも明らかにされていなかった、藍子叔母の空白の6年間を
描くくだりから、なんだか切なさが増してきました。

そして最後の、ある人物の告白の辺りで胸が少しずつ締め付けられ、
思いもよらない真相にたどり着いた辺りでは、思わず涙が出てしまい
ました。ワーワー泣くような感じじゃなく、ポロッと涙が落ちるような・・・。
久しぶりに切ない小説を読みました。

藍子叔母は、若くして頼れる相手を限定してしまったんだなと思います。
時代が、彼女の行く末をそうさせたのか・・・。
今の時代ならば、もっと変わっていたのではないかとも思ったり。
まあ、チュンさんのあの行く末のせいで藍子叔母の人生が、
日の当たる場所から絶望の場所へ、と言っても過言ではありませんが。

この小説内には、あれこれ詳しく描かれていませんでしたが、
藍子叔母の姉である容子(主人公の母)も、真相をうすうす感づいて
いたのかもしれないな、とも、読み終わった後に感じました。

う〜ん、多島さん。
切なかったですぅ〜。
でも、ますます多島作品が好きになっていきますね。



多島斗志之の本20:18comments(0)trackbacks(0)
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症例A
評価:
多島 斗志之
¥ 760
これは、私の好きな本なんですよ。
ある精神科医と「亜佐美」という精神疾患を持った患者をめぐる
話なんです。

統合失調病(昔でいう精神分裂病)なのか、境界例(パーソナリティ
障害)なのか、はたまたある症例なのか・・・。亜佐美を巡って、
主人公の医師が悩み、進む話なんですが、本当にその感情の動きを
よく描けていると思いました。

精神科医とて所詮は人間。亜佐美の症例に、彼は振り回されないように
しつつも、やはり振り回されかけています。そして、彼は疑い、また
信じ、また試し・・・。
同じような経験をしたことがある私は、彼を応援したい気持ちに駆られ、
また彼の行く末が非常に気になって、最後まで一気に読み進めました。

後半からは、普通では信じられない症例が物語りに組み込まれていき、
なかなか感情移入して読めない部分もある(ピンとこないっていう
んでしょうか)んですが、やっぱり主人公の先生の気持ちはすっごく
よく分かって、最後に彼が取った行動は、私が取った行動と同じだった
ので、「自分のやり方は間違っていなかった・・・」と思って、
ジーンと来ちゃいました。。。

そういう意味でも、この本はすごいリアリティがありますね。
あとがきでも、この本ほど精神病連をリアリティに描いた本には
そうそう会わないと書かれてありました。

でも、自分の身の回りに、統合失調症やパーソナリティ障害の人が
いない、またはそのような人と接したことが全然無い人には、この
本はイマイチに思えるかもしれません。


・・・この本は、異色サスペンスであり、そしてある意味ラブストーリー
でもあると思います。

そういった症例の方々と付き合いがある方々、過去に付き合いがあった
方々には、非常に納得のいく出来栄えの作品ではないでしょうか。
多島斗志之の本02:00comments(0)trackbacks(0)