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評価:
ジョディ・フォスター,テレンス・ハワード,メアリー・スティーンバージェン,ニッキー・カット,ナビーン・アンドリュース,ニール・ジョーダン
¥ 1,500
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ジョディ・フォスターの映画、個人的には「当たりハズレが
多いなあ」という印象ですが、この映画は私にとっては「当たり」
でした。
強い女を演じることが多いジョディですが、この作品も例に漏れず。
ただ、静かな強さが、婚約者を殺されるという事件で、怯える弱者
に変わり、生活が一変する女性を演じています。
これを見るまでは、よくある「恋人を殺された女の復讐劇」で終わる
映画だと思ったのですが、実際に見てみると、色んな疑問を見るものに
投げかける社会派ドラマであり、ただたんのサスペンスアクションな
映画ではありませんでした。
恋人を失ったエリカ(ジョディ)の傷心と復讐の時間をじっくり
描いているため、退屈に思えることもありますが、それは後半の
3分の1のシーンが生かされるためだと思います。
そして見ながら、
「自分なら、ジョディと同じ立場ならどうするだろうか」
「自分があの刑事の役ならどう思うだろうか」
と常に、無意識に自問してしまいますね。
同じ立場にならないと理解できるものではないし、いや、同じ
立場になっても理解できないかもしれないし、その人の立場を
超えることはできないと思いますが、ジョディの立場なら、
犯人に復讐してしまうかもなあと思いました。
でもその反面、復習をして悪い奴をこの世から排他することが
許されてしまうなら、誰の基準で「復讐は許されるのか」
ということも考えました。
『あの人は許せない』という基準が人よって違う。
それぞれの理由ごとに、復讐殺人が成立してしまうならば、
誰が誰を復讐してもかまわなくなってしまう、と思ったわけです。
それを防ぐために法律があるなと改めて、当たり前のことですが
考えました。
またあの刑事のとった行動・・・自分は反対しきれないですね。
興味深い角度から、命の重さを考えさせられるサスペンスタッチの
社会派ドラマでした。