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評価:
トム・ハンクス,トム・サイズモア,エドワード・バーンズ,マット・デイモン,バリー・ペッパー,スティーブン・スピルバーグ,ロバート・ロダット
¥ 1,500
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映画館で見たときは、あの当時、ここまで生々しい戦争シーン
があった映画がほとんど無かったため、冒頭のノルマンディ上陸
のシーンは衝撃的でした。
しかも、終わった後は、「なんだ、あまり大したことがなかった」
と思ったのですが、久しぶりにもう一度見てみたら「なかなか
いい映画やん」と。
お涙頂戴すぎる部分もあったりするのは、あまり好きではない
部分ですが(例えば、ラストのトム・ハンクスが戦車を撃つ
前後や、文学的な青年兵士とロシア兵の交流のあたり)、
やっぱりあの上陸シーンが現実にあったことを忠実に描いた
ところや、兵士達の危険な毎日・緊張が伝わってきたので良かった
と思います。
兄弟全員が戦場に送り込まれたライアン家。
末っ子のジェームズ(マット・デイモン)以外の上の兄達が
死んでしまったライアン家のために、軍はこれ以上ライアン家
の子供達に犠牲が出て両親を悲しませないために、トム・ハンクス
演じる隊長に、ジェームズ・ライアンを探し出して、帰還させる
という任務を与えます。
たった一人の、しかも生きているかどうかも分からない、どこに
いるかも分からない2等兵のために、8人が編成され、パラシュート
で投下したライアンを探すことになるのです。
普通は、一人のために8人がもしかしたら敵の銃弾の犠牲に
なるかも知れないので、馬鹿らしい、放っておけと思うものかも
知れません。編成された8人の中には、そういう空気がありました。
でも、任務を遂行する、ということを指揮官としてトムは遵守します。
自分ならどうするかな、と考えると、「硫黄島からの手紙」の日本兵
のように、自爆死するのは嫌だけど、任務ならライアンを探しにいく
かな。そういう死に方はいいけど、自分で手榴弾抱えて自害するのは
嫌ですね(汗)。
人から見れば、何がどう違うのかと思われるかもしれませんが[:ふぅ〜ん:]
誰かを助けるためにとか、戦う途中で撃たれて死ぬのはいいんですが、
手榴弾を自ら爆発させて(敵を殺すためではなく、自決のため)死ぬ
のはやっぱり嫌ですよ。
でも、激戦地にいったとき、無傷で死ぬか、もしくは完全に死んで
しまうのかがいいです・・・。体のどこかの部分を吹き飛ばされたり
して生き残るのは、残酷ですよね。
例えば、硫黄島で手足を失った何百何千という兵士が、生きて帰還した
際、本土の人々は眼を背けたそうです。
”英雄だ”と思って、音楽隊など編成して待っていたら、ぞろぞろと
手足の無い兵士が降り立って、”見たくないものを見てしまった”と
帰ってしまったそうですよ。多くの人が。
そのときばかりではない、その後も傷ついた兵士への差別は続きます。
そういう部分を描いたのが「7月4日に生まれて」という、トム・
クルーズの映画です。
戦争を美化したような映画が多いです(もしかしたら、このプライベート
ライアンもそうかも)。
ま、一種のエンターテイメントとして見せなければいけない部分も
あるので、美化したような形でもないと、観客には受けない、という
なんだかやるせないところもあるんでしょうね。
(特にアメリカ人にはそういう部分が・・・)