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評価:
リーアム・ニーソン,スティーブン・スピルバーグ,ベン・キングズレー,レイフ・ファインズ,スティーブン・ザイリアン
¥ 1,404
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これまた「これ見て泣かない人は・・・さようなら♪」映画ですね(笑)
上映に出向いていったとき、周りの座席にはユダヤ人とおぼしき
方々が一杯いたんですけど、上映の途中から、その周りのユダヤ人
たちがオイオイ泣くわ泣くわ(笑)
・・・お陰で、遠慮せずに私も泣けました(笑)
ユダヤ人の歴史には、子供の頃から興味がありました。
「どうしてユダヤ人は、あんなに迫害されるの?」と。
世界三大宗教と呼ばれる宗教の一つ、キリスト教、と深い縁がある
のです。キリストが生まれたのは、紀元前でも紀元後でもない約「0年」
です。紀元前をB.C.というのは、キリスト誕生前という意味の
「before Christ」(ビフォア・クライスト)の略だといわれ、また
紀元後を表すA.C.も「after Christ」(アフター・クライスト)
(クライストは英語発音の”キリスト”、という意味です)
の略だとも言われるほど、世界に広く知られるイエス・キリストを
頭とする宗教、それがキリスト教なんですよね。
そして世界の創世、つまり地球誕生からキリストが生まれるまでの間、
預言者と呼ばれる人々が「キリストは誕生するよ!キリストは誕生す
るんだよ!皆の救い主になるんだよ!」と予言を記した書が、いわゆ
る旧約聖書であり、キリスト誕生からその死後、弟子たちが皆死んで
しまうまでの記録を新約聖書といいます。
その旧約聖書には、ユダヤ人のことが沢山書かれてあります。
「神が選ばれた民」ということで、懲らしめられながらも成長させ
進歩させられる姿や民の歴史が書かれてあるのです。
ところが、神の選ばれた民であるユダヤ人は、その旧約聖書にある
予言の通り、救い主であるイエス・キリストを自らの手で十字架に
かけ、そして旧約聖書の予言にあるように、(第2次大戦で)迫害
され数え切れないほどのユダヤ人が命を落とし、でもそれでも、
イスラエルに再び集合するだろう、ということで、そのことがその
まま現実化しています。
ドイツの総督ヒトラーは、自らの経験(ユダヤ人に勝てなかった)
から、彼らを憎み、「救い主を十字架にかけるなんてことをするのは、
ユダヤ人だけだ!!」と言い、「彼らは殺されて当然だ!」と迫害の
対象とすることで、ドイツ人に優越感を持たせドイツ国民を動かそう
とした、それがいわゆるユダヤ人の大量虐殺なのですね。
この映画は、ドキュメンタリーではないのに、それに近いほどに
リアルです。
もう「悲しい」なんてレベルじゃなく、嗚咽しちゃうくらいに
胸が苦しい悲しみを、上映中に感じました。
シンドラーは実在した人物で、リーアム・ニーソンが彼を演じる
ことで一躍有名になりました。
シンドラーは最初、ユダヤ人を雇えば安く上がるからと、ユダヤ人
捕虜を買い取って、自分の工場で働かせるのですが、ナチスの残虐
行為を目の当たりにし、また工場の人々に対する”情”が芽生えた
ことから、自分が破産するまでユダヤ人を出来るだけ多く買い取り、
自分の工場で働かすことで収容所行きを逃れさせるのです。
彼が、利益だけを求めるやり手の雇い主から、人の命を尊ぶ偉大な
人物になっていく姿に涙が出ます。
冷酷な収容所の所長をレイフ・ファインズが演じ、彼もこの映画で
一躍有名になります。また、レイフ演じる所長に気に入られてしま
う孤独なユダヤ人女性をエンベス・デイビッツが演じ、彼女もまた
この映画を機に、様々な作品に登場するようになりました。(たと
えば、「相続人」「アンドリュー」「ブリジット・ジョーンズの日記」
「13F」など。)
そして、監督をしたスピルバーグも、この映画で初めてアカデミー
最優秀作品賞を受賞できました。それまでにも彼は、多くの優秀な
作品を世に出し、カラーパープルでは獲得候補といわれていたのに、
受賞できませんでした。
しかし、祖父の話してくれた実話を心に刻みつけ、撮影に臨んだこの
作品は、見事に受賞しました。
冒頭のシーンから、赤い服を着た少女に、皆さんは釘付けになるで
しょう。その少女がどうなっていくのか・・・。そして、その少女は
何百万と亡くなったユダヤ人の中の一人には過ぎないってことです。
多くの人が、あのような、いやあれ以上の悲しみを担ってきました。
また、この映画では過去のシーンをモノクロにし、現在のシーンを
カラーにしています。そのことで、またリアル感が妙に高まっている
ような気がします。
これを見るときに、絶対に戦争はいけないって思いますね。
たくさんの戦争映画を見ましたけど、これが一番そのことを訴えて
いたような気がします。
んで、ちゃかりビデオ持ってます(笑)
*音楽もよく出来ている作品ですね。