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評価:
クレア・デインズ,ケイト・ベッキンセール,ビル・プルマン,ジョナサン・キャプラン,デヴィッド・アラタ
¥ 995
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クレア・デインズの代表作の中に、この作品は数えられると
思います。
「アンビリーバブル」の感想のところにも書いたのですが、
「ロミオとジュリエット」のときは「なんで、こんな女優が
ヒロインに?」と思ったほど垢抜けなくて、演技もいまいち
と思っていたのですが、この作品を見てから彼女の印象は
がらりと変わりました。
これは実話を基にした作品ですが、かなり怖いです。
卒業旅行でタイに行った二人は、麻薬の密売人にうまく陥れられ、
無実なのに「密輸しようとした」という罪で、懲役30年くらい
を食らってしまう話です。
”冤罪”ほど恐ろしいものはない、と思います。
それを、実生活で目の当たりにして、心底そう思ったんです。
自分の知人の話ですが、彼はナイジェリア人ですが、郵便局
強盗で逮捕されます。犯人が自首して、「彼は無実で、共犯
ではない」と言っているのにも関わらず、警察は彼を捕まえ
ました。ここで「あ、そうなんですか」といえば、誤認逮捕で
問題になるからですよ。
外国人ですから、色んな書類を読めないのに、通訳もきちん
と出来ない人を通訳にして、この映画のように、意味もまげて
説明し、サインさせました。
アリバイも証明できたのですが、アリバイ証明は家族が
したら「家族のアリバイ証明は無効」と裁判所は言いました。
しかし、証拠映像が残っていたのですが、警察は証拠映像で、
犯人の顔がばっちり映っている部分を消去し、弁護側が指摘する
と、「間違って消してしまった」と嘘を言いましたが、それ
もOKになりました。
また犯人の汗のついた目だし帽も警察は持っていましたので、
DNA鑑定すれば、その汗は無実でつかまったナイジェリア人のもの
ではないと証明できるのに、不利な証拠は、証拠品として提出し
ないでもいいようなので、警察はその目出し帽を証拠品として提出
しませんでした。
またそのナイジェリア人のアリバイを証明できる家族以外の
人が見つかったのに、別人を召還し、「アリバイは無い」と
供述させ、別人にサインさせているのも発覚。
でも、有罪。でした。懲役6〜7年。
今も服役中です。>明石刑務所
信じられないです。警察と裁判所が、コネクションがあるのが
丸出しです。
警察が捕まえた人は、日本の場合、90%起訴されるそうです。
でないと誤認逮捕になっちゃうので。
そして、起訴された人の大半が、これまた有罪になるそうです。
(池田弁護士談)
無罪の人を捕まえたのかっていう問題になってしまうのでね。
これは、姫路警察の管轄で行われた冤罪事件ですが、こう
いうことは「富山の冤罪事件(強姦していないのに、したと
いうことで服役させられた男性の事件ですね)」のほかに
いっぱい日本でもあるし、タイなんて、クレアが演じた
女子学生のような冤罪は五万とあるそうで、今も何百人という
人がクレアが経験したような方法で、密売人に利用され、
服役を何十年としているそうです。
心が痛くなるよな話です・・・。
しかし、クレアが最後に取った行動は勇気がありますが、
その友達はそれでいいのか?と言いたい映画ですっ!