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評価:
ジョディ・フォスター,ケリー・マクギリス,バーニー・コールソン,ジョナサン・カプラン
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
¥ 1,350
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これは当時にはなかった、ショッキングな現実を見せ付けられたような
映画でした。
冒頭は、一人の女性がボロボロになってあるバーを逃げ出すシーン
から始まります。なんだろう?と観客が不安になっている間に、
病院のシーン。
主人公であるジョディ・フォスター扮する女性の顔は、暴行の
後で腫れ上がり、怯えきっています。
そして彼女は「レイプされた」と話し始めるのです。
彼女の味方につく検事にケリー・マクギリス。
二人はぶつかり合いながら、犯人達を有罪にするために戦います。
しかし、最初の話の流れで、「そりゃあんたも悪いって。」という
”レイプされたのには、あなたにも原因がある”という展開で
話が進むんですね。
女性からも同情されないようなムード。
ここからネタバレです。
彼女をレイプした人だけしか起訴できない現状で、実際には
周りで強姦を煽った大勢の男達も起訴できないのですが、
煽った人も起訴できることが分かります。
そしてラスト。彼女がどのようにして強姦されたのか。
この真実を見たとき、ただ誰一人として「強姦されても当然じゃ
ない。」と思わされるでしょう。合法な強姦などは一切なく、
彼女は立派な被害者だったと。
この撮影が始まるとき、検事役のケリー・マクギリスは撮影に
大幅に遅刻してきたそうです。
スタッフが自宅で落ち込む彼女に事情を聞くと、実は彼女も
昔、自宅で黒人二人の男に侵入・待ち伏せされてレイプされた
ことがったことが判明。撮影を思い切って引き受けたものの、
撮影当日になってその傷がうずき、出て行けなかったという
エピソードもありました。
本当に、撮影を最後までよく頑張ったと思います。
そして、ジョディ・フォスター、すごい熱演で天晴れでした。
@おまけ@
アメリカ人の友人(舞台女優)が、全米一人芝居の最優秀演技者を選ぶ
コンテスト?大会?で、この「告発の行方」をやったそうなんです。
どのようにやったかの構成は聞いてないのですが。
それで、結果は第2位。
審査員は5名おり、そのうちの4名が女性で、私の友人に満点を
4名ともが出したそうですが、唯一いた男性審査員にはお気に召さなかった
ようで、彼の点数が低くて2位になったそうです。
彼女曰く「男性には、この作品のレイプ問題は理解できないと
思う」と言っていたのが印象的。
確かに映画評では、「レイプされる(ジョディ演じるサラにも
問題あるよ。あんな態度されたら、男は性欲が出るよ」という
意見が男性に圧倒的に多いのも事実。
でも、女性は羽目を外す=強姦OK、ではない、ということが
男性には理解できないのかもしれない、そういった”考えの差”
を感じざるを得ない作品でしたね。