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評価:
ドナルド・サザーランド,メリー・タイラー・ムーア,エリザベス・マクガヴァン,ティモシー・ハットン,ジャド・ハーシュ,ロバート・レッドフォード
¥ 1,349
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これはさすがに、アカデミー賞を受賞するだけの作品ですね。
タイトルは「普通の人々」。原題も「オーディナリー・ピープル」
という、いわゆる「普通の人々」です。
どこにでもいそうな普通の家族が持つ問題をテーマにした映画で、
この家族の中に起こる出来事や、家族のメンバー1人1人の考え方や
思い、行動は特別なことではなく、誰もが感じたことのあるのでは
ないでしょうか。
私は、この主人公のように、兄を亡くしたという経験はないのですが、
この家族の中に起こっている感情が、自分も経験したことがあるよう
なものなので感情移入し、子供ながらに泣けてきた映画だったのを
思い出します。
主人公の青年の家族構成は、両親と兄と自分の4人家族。
母は、優等生の兄を溺愛しているのですが、弟と兄が二人で遊びに
出かけた際、出先で水難事故に遭い、兄が死んでしまう、という
大きな出来事が起こってしまいます。
兄を助けることが出来なかった自分を責め続ける主人公。
兄を溺愛していた母との関係も、気まずいものとなり、主人公の
青年はそれに耐え切れず、自殺未遂騒動を起こしてしてしまいますが、
それでも母親は彼に同情せず、彼をずっと許せないでいるのです。
カウンセリングに通いながら、自分の心の嘆きと向き合わなければ
いけなくなった青年。母親との確執を克服していく様子を描いた
この作品に、感動する人は多いと思います。
また母親の問題も結構リアルで、「ああ、どこの家でも母親ってのは
こうなんだ・・・」と思ってしまう場面が数々、登場します。
またその夫が吐く気持ちも、多くの人が、もしかしたら共感できる
かもしれません。
そう、この映画に登場する家族は、どこにでもいる家族なんです。
問題の種類は、それぞれの家庭で違えども、感じるものは共通して
いて。
そして、それを「離婚」や「家庭の崩壊」へ向かわせるのか、それ
とも苦労してでも築き上げていくのか・・・
それを、この映画の青年は、私たちの代わりに経験し、表現し、
苦しみ、そして何かをつかんでくれます。
どんな家庭でも大なり小なり傷を抱えていて、それは特別なことで
はなく、もし悩みに思うならば乗り越えられるんだよ、でもその
為には、もしかしたら辛い道のりを歩まなければいけないけども、
それだけの価値があるんだよ、家族ってのは・・・・。そんなメッセージ
も、感じられるかもしれませんね、ご覧になった方は。