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評価:
¥ 999
(2005-07-29)
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東野圭吾作品。
正直、なぜ彼の作品が世間でそんなにウケるのか、私には
分かりません。悪くはないけどそこまで良くもないというか。
宮部みゆきの作風の真似っぽいのもあるし、淡々としすぎて
いるし・・・。
子供の頃に彼のデビュー作を読んだことがあり(ちょうど、
私が子供の頃に彼はデビューした)子供心に「そんなに面白
くはないな」と思ったので、彼が今やこんなに売れっこになる
なんて夢にも思いませんでした。
なのに、レイクサイドマーダーケースが東野作品だと知って
見てしまいました。彼の作品をみるとき・読むとき、いつも
「今度こそは、世間が賞賛するように自分も賞賛できるかも」
と期待してしまうのですが、その期待をまた持って鑑賞。
そして、
「・・・う〜ん。可もなく不可もなく・・・」といった感じで終わり
ました。いつもそれで終わるのに、何故か手をつけてしまう
自分・・・。
元々、不倫がからんだ殺人事件の映画って、そんなに好き
じゃないんですよね。
「ワット・ライズ・ビニース」(ハリソン・フォード)
「危険な情事」(マイケル・ダグラス)
「略奪愛」(黒木瞳)
などなど・・・
どれも結末は見えているし(不倫の結末は皆、よろしくない)
愚かしさの物語には、日常生活のストレスの足しにしかなら
ないからかもしれません。
この作品も、その展開でいきます。
「あなたの家庭は壊さないわ」と言うくせに、自分と家族の
重大イベントの宿泊施設までやってくる高島という愛人。
あー、やだやだ。もし自分が、その愛人と不倫している並木
という(役所広司)だったら、もうそんなことされた時点で
別れますわなー。めっちゃ引くやん、みたいな。
それでもって、この愛人の登場でピクつく、別居中の妻
を薬師丸ひろ子(いい役者になりました!「野生の証明」
やら「セーラー服と機関銃」の彼女が、こんなにいい女優
になるなんて)。
しかしこの作品、途中から「不倫殺人」がテーマじゃなくなっ
てきます。それがこの映画の救いかな。
家族愛・親子愛・受験戦争・私利私欲・・・色んなものにつ
いて考えさせられ・・・ますが、色んなテーマが盛り込まれ
すぎて、ぼんやりもしちゃう感じですが・・・。
あ、この映画でよかったのはキャスト。
今時の映画って、今時の若者ばかり起用され今時の若い
子ウケな作品が多くて、今時の若い子、じゃない自分には
感情移入しにくい部分があるので敬遠しがちですが、
この映画の役者には、今のアラフォー世代が思春期に活
躍した役者を起用していて、その役者たちもデビューして
から何十年と経っているのでいい味を出している、そんな
時期にそんな役者で固めたのが、なんとなく良かったな。
「金八先生」で中学生で妊娠したカップルを演じた鶴見
信吾と杉田かおるが夫婦役で登場。あとは黒田福美も
久しぶりにブラウン管でみたわ。柄本明と役所広司、
薬師丸ひろ子に豊川悦史。しっかりそれぞれの役を演じ
ておられ、安心して見れました。安定した演技っていうと
変ですけど。
まあレンタルするほどでもないような、レンタルで見るには
いいような、そんな映画です。
東野作品がOKな人には、見てもいいかも。
あ、カメラの映像がきれいだったのが印象的です。