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評価:
多島 斗志之
¥ 680
(2009-12-10)
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この本、あまり知られていないのですが、宝塚を退団した
ばかりの天海祐希が出演した日米合作映画の原作なんです
よね。
今でこそ、天海は格好いい弁護士やら刑事なんかの役が
人気ですが、この作品で既にその片鱗を見せています。
この映画を見ていないですが、是非機会があったら見たい。
というのも、この作品そのものが(本が)すごく面白かった
からです。
アメリカが舞台の作品です。
天海が演じる主人公タミは、日系3世の女性FBI捜査官。
アメリカに来て日本人バッシングの被害にあったカオリが、
ティムという、日本人だということで自分をからかった少年を
ひき殺してしまい、その母親から復讐を宣言されたため、
タミがカオリの警護にあたることになるんです。
最初は、日本人のカオリには日本語の話せる捜査官がいい
ということだけで選ばれたので、付き添いくらいで終わるはず
でした。
周りの仲間からも、「本当に必要なのは、日本語ができる
プロじゃなく、警護のプロだ」とか「付き添いだけでいい」とか
言われ、自分の、捜査官としての価値や自信を見失い
そうになるタミですが、色んな網をくぐり抜けて、犠牲を
いとわない復讐に燃えるティムの母親ヴァルダの追撃に、
次第に”ただの警護”では終われなくなっていくタミ。
逃げ、あらゆる手でかくまわれるカオリに、決死の覚悟で
あの手この手を使って近づこうとする復讐の鬼ヴァルダ。
ついに、もう誰も彼女たちを守ってくれないというところまで
ヴァルダは追いついてきて、そのときタミは・・・・。
いやあ、すごく面白かった。星5つをつけたいくらいです。
これは天海の役だなと思って読んでいました。
適役すぎます。
後半のヴァルダのやることがすごいです。こんな怖い女
に追い詰められる恐怖といったら・・・。タミも、こんな女に
追われることは初めてで、銃を使うのも初めて。その恐怖と
緊張が伝わってきます。
射撃大会で非常に好成績を残しているヴァルダ(この人、
市警なんですよ(汗))は凄腕の殺し屋のようです。そんな
ヴァルダとさしで勝負したら負けると思ったタミの計算力は
天晴れです。
ですが、そんな持つべき武器の違う二人は、最後どうなる
のか・・・最後の数ページは圧巻ですよ。
これは絶対にお勧め作品です。